塩谷住宅建築代表、塩谷敏雄が日本の住宅事情に物申す!?随時更新中です!
★コラムが新しくなりました。最新記事はこちら

第2回:日本の住宅は何故寿命が短い?【その1】 (2010.4.20 更新)

日本の住宅は平均寿命25年と言われています。

日本の家は、欧米に比べてはるかに寿命が短いと言われています。平均寿命が25年というリサイクルです。

そして、日本では、経年した住宅を売る場合において「土地付き中古住宅」ではなく「古家つき土地」として取引されています。

住宅の価値はゼロではなく、解体費用を査定され、マイナス評価となってしまいます。
きちんとした大工さんが造った家であろうと、いい加減な建売住宅であろうとおかまいなしです。(大工の視点で考えるとやはりちょっと悔しいものがありますね!)

色々な問題がある「日本の住宅」ですが、一つ一つ検証してみると、面白い事がわかってきます。 以後数回に分けて書き綴ってみようと思います。よろしければお付き合いください。

戦後の高度経済成長と「住宅建設5ヵ年計画」

私が住宅を造り始めてから30年、父の代から含めれば50年、日本の住宅事情は随分と変化しました。

私は昭和36年生まれです。
その一年前、私の父は「塩谷工務店」を江東区の越中島で開業しました。
当時は、東京でも住宅の環境が整っているとは言えない時代で、 高度経済成長の波と相まって、住宅は造っても造っても不足している状態だったそうです。

そんな中、1966年(昭和41年)、日本政府は「住宅建設5ヵ年計画」を策定し発表しました。
以後、日本の住宅政策はこの「住宅建設5ヵ年計画」により発達してきたと言って良いでしょう。
住宅公団や大規模な都市開発の波も、この政策よるものが大きかったのです。

「住宅建設5ヵ年計画」は2006年まで続き、計画的に住宅を造り続けてきました。

住宅政策は人口とリンクする?

2006年まで40年間、日本の人口は増え続けました。
戦後、増大し続けた人口は2006年にピークを迎えましたが、以後は減少に転じています。

1966年に1億人を突破したと大騒ぎになりましたが、今のペースだと2046年にはまた1億人に戻るのだそうです。

さて、この、日本の人口と住宅政策は、非常に大きくリンクしています。
家を造り続けた時代と、日本の人口が増え続けた時代を見ると、ピタリと照合しています。

2006年という年は、住宅業界にとっても大きな節目の年になりました。
日本の大きな経済政策であった「住宅建設5ヵ年計画」が8回を経て終了し、「住宅基本法」が策定されたのです。

この「住宅基本法」については、後ほど詳しくお話させていただきますが、「何故、日本の住宅は寿命が短いのか?」という事と大きく関係しています。

【次回へ続く 更新予定日:2010年4月27日】